機械学習で利用可能なnAGライブラリルーチン

高性能数値計算で機械学習を加速

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機械学習で利用可能なnAGライブラリルーチン

本ガイドは、nAGライブラリの機能を機械学習(ML)のコンテキストで活用する方法を紹介します。nAGライブラリには、機械学習アルゴリズムの実装や最適化に利用可能な多くの高性能で信頼性が高い数値計算ルーチンが含まれています。これらのルーチンを活用することで、機械学習プロジェクトの効率と精度を向上させることができます。

本ガイドは2つの主要セクションで構成されています。最初のセクションでは機械学習のアルゴリズムやタスクの種類ごとに関連するnAGルーチンを紹介し、2番目のセクションではnAGルーチンの機能分類ごとに機械学習との関連を説明します。

この資料が皆様のお役に立てれば幸いです。

1. 機械学習アルゴリズム/タスク別のまとめ

1.1 教師あり学習

a) 線形回帰

主要ルーチン
  • G02DAF: 一般(多重)線形回帰モデルを適合
  • G02DCF: 一般線形回帰モデルに観測値を追加/削除
  • G02DDF: 更新されたモデルからの回帰パラメータの推定値
使用例
  • データの準備: G03ZAF を使用してデータを標準化
  • モデル適合: G02DAF を使用して線形回帰モデルを適合
  • モデル評価: G02DKF を使用して推定パラメータの信頼区間を計算
  • 予測: G02DGF を使用して新しいデータに対する予測を行う

b) リッジ回帰(L2正則化)

主要ルーチン
  • G02KAF: リッジ回帰、リッジ回帰パラメータの自動最適化
  • G02KBF: リッジ回帰パラメータを指定したリッジ回帰
使用例
  • モデル適合: G02KAF を使用して最適なリッジパラメータを見つけ、モデルを適合
  • 交差検証: G02KBF を使用して異なるリッジパラメータでモデルを適合する

c) Lasso回帰(L1正則化)

主要ルーチン
  • G02MAF: 最小角回帰(LARS)、LASSO、および前進的段階的回帰、変数選択
使用例
  • 正則化パス: G02MAF を使用して異なる正則化パラメータでの解パスを計算、変数選択

d) ロジスティック回帰

主要ルーチン
  • G02GBF: 二項誤差を持つ一般化線形モデルを適合
使用例
  • モデル適合: G02GBF を使用してロジスティック回帰モデルを適合

1.2 教師なし学習

a) K-means クラスタリング

主要ルーチン
  • G03EFF: K-means法
  • F06EJF: 実ベクトルのユークリッドノルムを計算
使用例
  • 初期化: G05SAF を使用して初期クラスター中心をランダムに選択
  • クラスタリング: G03EFF を使用してK-meansアルゴリズムを実行
  • 距離計算: F06EJF を使用してデータ点とクラスター中心間の距離を計算

b) 主成分分析 (PCA)

主要ルーチン
  • G03AAF: 主成分分析
  • F08KBF: 実行列の特異値分解を計算
使用例
  • PCAの実行: G03AAF を使用してPCAを実行
  • 代替方法: F08KBF を使用してデータ行列のSVDを計算し、主成分を導出

c) ガウス混合モデル (GMM)

主要ルーチン
  • G03GAF: ガウス混合モデルを適合させる
使用例
  • モデル適合: G03GAF を使用してGMMを適合
  • クラスタリング: 適合されたGMMを使用してデータポイントをクラスタに割り当て

1.3 リザバーコンピューティング

a) リザバーコンピューティング

主要ルーチン
  • F06PAF: 行列-ベクトル積(リザバー状態の更新に使用)
  • G05SAF: 乱数生成(初期重みの生成に使用)
  • G02KAF: リッジ回帰(出力層の学習に使用)
使用例
  • リザバー初期化: G05SAF を使用してランダムな重みを生成
  • 状態更新: F06PAF を使用して結合行列とリザバー状態ベクトルの積を計算
  • 出力層学習: G02KAF を使用してリッジ回帰でリザバー状態から出力への重みを最適化
  • 予測: 学習した重みを使用して新しい入力に対する出力を計算

1.4 時系列分析

主要ルーチン
  • G13AFF: 季節ARIMAモデルの推定
  • G13BJF: 予測関数
使用例
  • モデル適合: G13AFF を使用してARIMAモデルを時系列データに適合
  • 予測: G13BJF を使用して将来の値を予測

1.5 異常検出

主要ルーチン
  • G03EAF: 距離(非類似度)行列の計算
  • G03GAF: ガウス混合モデルを適合させる
使用例
  • 距離ベースの手法: G03EAF を使用してデータポイント間の距離を計算し、閾値を超える点を異常として検出
  • 密度ベースの手法: G03GAF を使用してGMMを適合させ、低密度領域のデータポイントを異常として検出

2. 計算の種類別のルーチンリスト

2.1 最適化アルゴリズム

非線形最適化

  • E04STF: 疎な非線形計画問題(NLP)のための内点法(IPM)
  • E04KFF: ボックス制約付き非線形最適化のための一次アクティブセット法
  • E04KYF: 準ニュートン法アルゴリズム (使いやすいインターフェース)

ニュートン法とその変種

  • E04KDF: 修正ニュートン法
  • E04LBF: 一次および二次導関数を使用した制約付き最適化

非線形最小二乗法

  • E04GBF: 一階導関数を使用したガウス-ニュートン法
  • E04GDF: 一階導関数を使用したガウス-ニュートン法と修正ニュートン法の組み合わせ
  • E04GGF: 境界制約付き非線形最小二乗法

大域的最適化

  • E05JBF: 多段階座標探索による大域的最適化
  • E05SAF: 粒子群最適化アルゴリズム (PSO)

2.2 線形代数演算

行列分解

  • F01BLF: 実疎行列のLU分解
  • F01QGF: 実m×n上部台形行列のRQ分解
  • F08AEF: 実一般長方形行列のQR分解

固有値問題

  • F02ECF: 実一般行列の選択された固有値と固有ベクトルを計算
  • F02FJF: 実対称疎行列の絶対値が最大のm個の固有値と対応する固有ベクトルを計算

特異値分解 (SVD)

  • F02WGF: 実一般行列の特異値分解の主要項を計算
  • F08KBF: 実行列の特異値分解を計算

2.3 統計解析と確率分布

記述統計

  • G01ATF: 単変量要約情報の計算(平均、分散、歪度、尖度)
  • G01AUF: 複数の要約情報セットの結合

確率分布関数 - 様々な確率分布の累積分布関数と逆関数

  • G01EAF: 標準正規分布の確率
  • G01EBF: スチューデントのt分布の確率
  • G01ECF: χ²分布の確率
  • G01EDF: F分布の確率
  • G01EEF: ベータ分布の上側および下側確率と確率密度関数
  • G01EFF: ガンマ分布の確率
  • G01EMF: スチューデント化された範囲統計量の確率の計算
  • G01EPF: ダービン-ワトソン統計量の有意性の境界の計算
  • G01ERF: フォン・ミーゼス分布の確率の計算
  • G01ETF: ランダウ分布関数
  • G01EUF: ヴァヴィロフ分布関数
  • G01EWF: ディッキー-フラー単位根検定の確率の計算
  • G01EYF: 1標本コルモゴロフ-スミルノフ分布の確率の計算
  • G01EZF: 2標本コルモゴロフ-スミルノフ分布の確率の計算
  • G01FAF: 正規分布の偏差
  • G01FBF: スチューデントのt分布の偏差
  • G01FCF: カイ二乗分布の偏差
  • G01FDF: F分布の偏差
  • G01FEF: ベータ分布の偏差
  • G01FFF: ガンマ分布の偏差
  • G01HAF, G01HBF: 多変量正規分布の確率計算

乱数生成 - 様々な確率分布からの乱数生成

  • G05SAF: (0,1]上の一様分布からの疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SBF: ベータ分布からの疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SCF: コーシー分布からの疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SDF: χ^2分布からの疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SEF: ディリクレ分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SFF: 指数分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SGF: 指数混合分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SHF: F分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SJF: ガンマ分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SKF: 正規分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SLF: ロジスティック分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SMF: 対数正規分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SNF: スチューデントのt分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SPF: 三角分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SQF: [a,b]上の一様分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SRF: フォン・ミーゼス分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05SSF: ワイブル分布から疑似乱数ベクトルを生成する
  • G05TAF: 二項分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する
  • G05TBF: 疑似乱数論理値ベクトルを生成する
  • G05TCF: 幾何分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する
  • G05TDF: 一般離散分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する
  • G05TEF: 超幾何分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する
  • G05TFF: 対数分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する
  • G05TGF: 多項分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する
  • G05THF: 負の二項分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する
  • G05TJF: ポアソン分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する
  • G05TKF: 平均が変化するポアソン分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する
  • G05TLF: 一様分布から疑似乱数整数ベクトルを生成する

2.4 回帰分析

線形回帰

  • G02DAF: 一般(多重)線形回帰モデルを適合
  • G02DCF: 一般線形回帰モデルに観測値を追加/削除

正則化回帰

  • G02KAF: リッジ回帰、リッジ回帰パラメータの最適化
  • G02KBF: 複数の提供されたリッジ回帰パラメータを使用したリッジ回帰
  • G02MAF: LASSO回帰(L1正則化)

非線形回帰

  • E04FYF: 関数値のみを使用したガウス-ニュートン法と修正ニュートン法の組み合わせ
  • E04GYF: 一階導関数を使用したガウス-ニュートン法と準ニュートン法の組み合わせ

一般化線形モデル(GLM)- 様々な誤差分布を持つ一般化線形モデルの適合

  • G02GAF: 正規誤差を持つ一般化線形モデルを適合
  • G02GBF: 二項誤差を持つ一般化線形モデルを適合
  • G02GCF: ポアソン誤差を持つ一般化線形モデルを適合
  • G02GDF: ガンマ誤差を持つ一般化線形モデルを適合

2.5 判別分析と分類

判別分析

  • G03ACF: 正準変量分析
  • G03DAF: 群内共分散行列の等質性検定

一般化線形モデルを用いた分類

  • G02GBF: 二項誤差を持つ一般化線形モデルを適合(ロジスティック回帰に使用可能)

2.6 クラスタリング

  • G03ECF: 階層的クラスター分析
  • G03EFF: K-means法
  • G03EAF: 距離(非類似度)行列の計算

2.7 次元削減と特徴選択

  • G03AAF: 主成分分析 (PCA)
  • G03ADF: 正準相関分析
  • G02EEF: 前向き選択法による線形回帰モデルの適合(特徴選択に使用可能)

2.8 時系列分析

  • G13AFF: 季節ARIMAモデルの推定
  • G13BJF: 予測関数
  • G13MEF: 単変量不均質時系列の反復指数移動平均の計算

2.9 ニューラルネットワークサポート

  • F01CKF: 実行列の乗算(ニューラルネットワークの順伝播に使用)
  • F01CRF: 実行列の転置(逆伝播の計算に使用)
  • S10AAF: 双曲線正接関数(活性化関数として使用可能)
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