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11.3 追加された数学の組込関数 [5.3.1]
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要素別処理組込関数ACOSH, ASINH, ATANHは
逆双曲線余弦、逆双曲線正弦、逆双曲線正接をそれぞれ計算します。
一つの引数である X はReal型もしくはComplexで、結果は引数と同じ型と種別となります。
引数がComplexの場合には虚数部はラジアンで表現され、
0≤im≤π の範囲(ACOSHの場合)もしくは
−π/2≤im≤π/2 の範囲(ASINHとATANHの場合)の値をとります。
例えばACOSH(1.543081)、ASINH(1.175201)、ATANH(0.7615942)は全てほぼ1.0となります。
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要素別処理組込関数HYPOTは引数
X と Y の “ユークリッド距離関数” (二乗和の平方根) を X もしくは Y
が非常に大きな値もしくは小さな値であったような場合でもオーバーフローやアンダーフローを起こすことなく計算します。
(結果自体がオーバーフローもしくはアンダーフローである場合はこの限りではありません)
引数は同じ種別のReal型でなければならず、結果はその同じ種別の型となります。
HYPOT(X,Y) は意味としても数値としても ABS(CMPLX(X,Y,種別(X))) と同等です。
例えば HYPOT(3e30,4e30) は 5e30 とほぼ同等です。
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配列集計組込関数 NORM2(X,DIM)
は足し算や掛け算で集計を行う SUM と PRODUCT と同じような動きをしますが、
L2ノルム(平方和の平方根)により集計を行います。
その他の多くの集計関数と異なり NORM2 には MASK 引数が無い点に注意して下さい。
DIM 引数は省略可能です。 DIM の実引数はそれ自身が省略可能な仮引数であってはなりません。
結果の値の計算は、結果自体が最大範囲外である場合を除き、計算途中におけるオーバーフローやアンダーフローを避けるように行われます。 例えば NORM2([X,Y]) は HYPOT(X,Y) とほぼ同等です。
