業種 | 大学 |
ソリューション | デトネーション(爆轟)モデリング |
使用された製品 | nAG Fortran ライブラリ |
使用された関数 | 最小値問題(E04UCF), 常微分法正式(D02NBF), 非線形連立方程式(CO5NDF) |
鉱業及び採石業のデトネーション(爆轟)モデリングで nAG Fortran ライブラリを使用
By Martin Braithwaite
Department of Chemical Engineering & Chemical Technology
Imperial College, London
多くの露天採掘作業で、何トンもの爆薬が個々の発破で使用されており、発破設計を最適化しようとする強い商業的誘因があります。採掘作業の要因には、細粒や大きな岩石に関する下流プロセスのコストの制限、地盤振動やそれに関連する損害の制限、爆轟生成物からのガス状の煙の回避、爆薬や補助的な付属装置(遅延装置、起爆装置など)のコストの抑制が含まれます。発破の最適化は発破設計(レイアウト、爆薬の種類や量、爆発の時間遅延など)を適切に選択することによって実現されます。爆破が失敗した場合に復旧作業のコストが大きくなる可能性があることを重要視する必要があります。
この採掘の研究に加えて、爆薬の定常爆轟の側面と閉じ込め岩石媒質[1]の地質工学的反応を組み合わせたコンピュータモデルが開発されました。ここで述べている研究は、どのように爆薬や爆轟生成物が作用するかを示すモデリングのみと関係しています。そしてこの研究では、nAG Fortran ライブラリ (C05, D02N, E04 チャプター)の頑強な数値計算アルゴリズムソフトウェアやルーチンを必要とします。エンドユーザは平均的なパフォーマンスのコンピュータ上でシミュレーションソルバを実行したいと考えており、ソフトウェアの失敗は許されません:nAG Fortran ライブラリはソフトウェア障害をもたらすいかなる原因とも無縁です。
商業用発破爆薬は異種であり、分離酸化剤とガスボイドを含むガス状の油中水型硝酸アンモニウムベースのエマルションやマイクロバルーン、ANFO や水溶性ゲルなどの力学的増感剤の燃料から通常できています。防衛関連の応用で使用される質の高い爆薬とは対照的に、この研究におけるエネルギー媒質は理想的には爆発しません。つまりそのパフォーマンスは熱力学的理論だけでは予測できません。
- 化学平衡は爆轟プロセスでは実現されません
- 爆轟の状態は薬径と閉じ込めによって決まります:爆薬密度に比例して作用しません
- 衝撃破面は曲線状で、爆轟反応域は比較的長いです
- 爆轟がそれを下回ると維持されない臨界薬径、閉じ込めの依存性があります
数値計算のシミュレーションに関して、上記の物理学は二つの数学的問題に分けることができます:
- 高温と高密度の多相の超臨界媒体での化学平衡の決定 [3]
- 1次元と2次元 [4]の反応性オイラー方程式(円筒形状)の解
ソース項を形成するこれらのシミュレーションのアウトプットは、岩石破砕全体と水平傾斜移動プロセスのモデリングです:基本的には地質工学的モデルは圧力履歴の項を必要とします。それは爆轟生成物/岩石との接触面で爆轟やその後の希薄化の間に岩石が受ける圧力を示します。
解決しなければいけない最初の問題は、理想的な爆轟状態と関連する等エントロピー [3]です。状態の流体方程式は適切な統計力学的基礎を用いて開発され、関心のある密度・温度分野を取り扱うチェビシェフの多項式で提供されます。固形生成物はこれらの応用ではささいな要素ですので、単純な Murnaghan Eos 形式が使用されます[5]。nAG Fortran ライブラリ (E04UCF, CO5NDF) ルーチンを使用しているコードは、どのような関心があるかその状況に応じて制約付き最適化問題を解きます。これは以下の形式になります。
min A (ngi ,nsi : V,T) 0 ≤ngi , ns ≤ Nmax を条件とする。
この場合 A は削減されたHelmholz 自由エネルギー:ngi と nsi はモルで表される気相と固相
種類 i:V, T はシステムの総量と気温を表しています。
最初の計算の欠点は、閉じ込め媒質に対する有限反応と放射状流を考慮していないことです:それは強固な閉じ込め/無限大薬径の媒質で達成できる最速の爆轟速度を表します。さらにシミュレーションが非理想爆轟の作用[4]を決定するために実行されます。これは以下から成る、一定の反応を示すオイラー方程式の解を必要とします:
- 質量、運動量及びエネルギー保存
- 流体の未反応及び生成物の熱力学状態方程式(生成物の理想爆轟等エントロピーと未反応媒質の衝撃圧縮データに基づく単純化された式)
- 閉じ込めの応力ひずみ関係
- 集中速度表現
厳密に言えば、この2つ目の分析は境界値問題の解を必要としますが、迅速な計算を必要とするため、初期値問題(D02NBF を使用)を使用する反復法に基づく別のアプローチがこのアプリケーション用に開発されました。プログラムコードは2つのモードで実行されます。最初のモードは実験データの計測のための速度表現の速度パラメータに適合しています。通常それは明確に定義された閉じ込めにある薬径の逆数のテストデータに対する爆轟速度に基づいています。 2番目のモードは確立された速度則係数に基づいて異なる閉じ込めにおける同じ爆薬の作用を決定します。(以下を参照)
図1は薬径の逆数とともに減少し閉じ込め媒質の強度に応じて増加する爆轟速度による典型的な結果を説明しています。これが爆発の爆轟速度波を超える場合、岩石の漸近特性は閉じ込めの音波の影響によります:理論はこの分野ではあまり役にたちません!
この研究で使用される全ての数値計算ソルバは、ODRPACK (NIST, Boulder, USA) [6] を除いて、前述のチャプターの nAG ルーチンを採用しています。開発された、近年様々なバージョンのWindows 上で動く GUI にリンクされたコンピュータコードは、世界中の鉱業や爆薬物の業界で広く使用されています。それらには資金援助を行い、発破最適化でコードを実際の問題に利用している企業(AEL、DYNO、DeBeers、Sandvik Tamrock、Rio Tinto、LKAB、Anglo American & Codelco)があげられます。
謝辞
皆様(参考文献に記載されている方々)からのご協力、下記に掲載しました企業からの寛大な資金援助、そして研究が始まってからおよそ15年以上に渡る nAG からのご支援に感謝申し上げます。
参考文献
- Ruest, M., P. Cundall, A. Guest & G. Chitombo. "Developments Using the Particle Flow Code to Simulate Rock Fragmentation by Condensed Phase Explosives," in FRAGBLAST - 8 (8th International Symposia on Rock Fragmentation by Blasting, Santiago, Chile, May 2006), pp. 140-151. Santiago: Editec, 2006.
- Fickett.W & Davis, W. C., "Detonation: Theory and Experiment", Dover (2003)
- Freeman, T.L.; Gladwell, I.; Braithwaite, M.; Byers Brown, W.; Lynch, P.M.; Parker, I.B. "Modular software for modelling the ideal detonation of explosives". Math. Eng. Ind. 3, No.2, 97-109(1991).
- Braithwaite, M., Sharpe, G.J,. & Chitombo, G.P.," Simulation of real detonations as an energy source term for the Hybrid Stress Blasting Model" in Fragblast-( 9th International Symposia on Rock Fragmentation by Blasting, Santiago, Chile, September 2009), Granada: Editec, 2009.
- Braithwaite, M & Allan, N L., "Thermodynamic Representations for Solid Products in Ideal Detonation Predictions", 12th Intnl Detonation Symposium, San Diego , ONR(2002)
- ODRPACK - http://www.netlib.org/odrpack/
スポンサー企業:
- African Explosives Limited (AEL)
- Dyno Nobel Asia Pacific Limited
- Codelco Chile
- Rio Tinto Limited
- De Beers Group Services
- Debswana Diamond Company (Pty) Ltd
- Anglo American Operations (AOL)
- Sandvik Mining and Construction
- LKAB