NAG 自動微分ソフトウェアツール DCO/C++ の事例

レーシングソーラーカーの空力の最適化

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事例の背景

Team Sonnenwagen はアーヘン大学の学生のグループです。彼らは 2017 年に初めてワールドソーラーチャレンジ(WSC)に参加しました。WSC はソーラーカーチームにとって国際サーキットで最も重要なレースと見なされています。5 大陸の 40 チームが互いに競い合い、オーストラリアの奥地、ダーウィンからアデレードまでの 3022 km に及ぶ道のりを走破します。

Team Sonnenwagen は 2019 WSC チャレンジャークラスの表彰台(トップ 3)を目指しています。

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基本的な課題:レーシングカーの空力の最適化

車体の空力は非常に重要であるため、この作業は厳密なプロセスの下で行われました。2018 年の初頭に、チームはコンセプトスタディを開始しました。CFD(数値流体力学)シミュレーションを検証するために、風洞実験を旧車を用いて行いました。神経をすり減らす決定フェーズの後、検証されたシミュレーションモデルに基づいて、パラメータースタディを開始しました。その結果、様々なパラメーター(例えば、エッジフィレットの半径やトレーリングエッジの角度など)が独立に観測されました。これにより、チームは段階的に最適化を実行できました。

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NAG 自動微分ソフトウェアの利用

NAG の dco/c++ ソフトウェアツールを基にした adjoint ソルバーは、この段階で中心的な役割を果たしました。また、dco/c++ は、流体の流れの解に対する形状の表面感度の計算に利用されました(これは、最終的には最適化問題(この場合、空気抵抗の最小化問題)になります)。感度は形状の自動最適化を行うために利用され、エンジニアに質的な情報を提供します。視覚化は、空力抵抗を減らすために表面をどのように変更しなくてはならないかをとても簡単に示してくれます。dco/c++ の利用は、Team Sonnenwagen にとって大きな利益となりました。

Team Sonnenwagen は、ハードウェアとして、256 GB RAM を搭載したラックサーバーを採用しました。そして、8 つの SSD からなる RAID 0 を使用して、さらに 2 TB の高速書き込みメモリの利用を可能にしました。サーバーのプロセッサは 2×6 コア(クロック周波数 2.66 GHz)です。adjoint シミュレーションは、このマシン構成で、最大 1,600 万のメッシュのセルを処理できます。

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dco/c++ の使用が Team Sonnenwagen の設計プロセスにもたらす新しいアプローチとソリューションのアイデアは非常にエキサイティングです。 (そうでなければ気付かれなかった)車体の空力のための新しい提案が見出され実行されました。同時に、多くの最適化の結果は、adjoint 計算によって後から確認ができました。

背景情報

adjoint 計算は、パラメータースタディにとって有益なサプリメントです。しかしながら、adjoint 解は表面の局所的な感度だけを表すことに注意してください。大きな形状の変化は、依然としてパラメータースタディで最適化する必要があります。さらに、運転手の大きさなど、明確に定義された境界条件があります。これらは付随条件として adjoint 解には保存されません。従って、dco/c++ は、設計自由度の高い問題に適しています。


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