NAGお客様事例

京都大学学術情報メディアセンター様

お客様事例
業種 大学・全国共同利用施設
ソリューション 大規模計算機システムによる計算サービスの提供
使用された製品 NAG Library for SMP & Multicore (Mark 23)
NAG Parallelライブラリ (Release 3)
使用された関数 数値計算全般

[2013年11月掲載]

お客様プロファイル

京都大学学術情報メディアセンター様は、2002年4月に発足し現在に至っています。京都大学学術情報メディアセンター様は,コンピューティングサービスとして他の大学や他の研究機関の研究者に対してスーパーコンピュータを用いた大規模な科学技術計算,及び計算科学,構造解析,統計処理,可視化などの様々なアプリケーションサービスを提供し,学術研究を支援しています。
スーパーコンピュータシステムは,演算性能300.8TFlops のCamphor,242.5TFlops のLaurel,10.6TFlops のCinnamon の3種類があり計算化学などのアプリケーションソフトウェアをサービスしています。

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図1:システム構成図 (提供:京都大学学術情報メディアセンター様)

<スーパーコンピュータのシステム構成について>

Camphor
全体 機種名Cray XE6
ノード数940
理論ピーク演算性能300.8 TFlops
総メモリ容量59 TB
ネットワークトポロジ3D トーラス
バイセクションバンド幅1.7 TB/sec
ノード プロセッサ数(コア数)2 (2x16 = 32)
理論ピーク演算性能320 GFlops
メモリDDR3-1600 64GB, 102.4 GB/sec
インターコネクトGemini, 9.3GB/sec or 4.6GB/sec
Laurel
全体 機種名Appro GreenBlade 8000
ノード数601
理論ピーク演算性能242.5 TFlops
総メモリ容量38 TB
ネットワークトポロジFat tree
バイセクションバンド幅3.1 TB/sec
ノード プロセッサ数(コア数)2 (2x8 =16)
GPUnVIDIA Tesla M2090 x1
665.0 GFlops (601ノードの内,64ノードに搭載)
理論ピーク演算性能332.8 GFlops (GPU搭載ノードは997.8 GFlops)
メモリDDR3-1600 64GB, 102.4 GB/sec
インターコネクトInfiniBand FDR x2, 13.56 GB/sec
Cinnamon
全体 機種名Appro 2548X
ノード数16
理論ピーク演算性能10.6 TFlops
総メモリ容量24 TB
ネットワークトポロジFat tree
バイセクションバンド幅217 GB/sec (full-bisection)
ノード プロセッサ数(コア数)4 (4x8 = 32)
理論ピーク演算性能665.6 GFlops
メモリDDR3-1066 1.5TB, 136.4 GB/sec
インターコネクトInfiniBand FDR x2, 13.56 GB/sec

URL:http://www.iimc.kyoto-u.ac.jp/ja/services/comp/



NAG製品を導入された経緯や導入による効果などについて、運用担当者様にお話を伺いました。

NAG製品を導入された経緯

「2004年にユーザサービス向上の一環として、ISVソフトウェアやライブラリの充実を図ることにしました。その際、数値計算ライブラリとして実績のあったNAGに着目し、導入したのが発端です。」

NAG製品の導入による効果について

「NAGライブラリの導入以後、豊富な数学関数のサポート等を理由に、ユーザの利用が進みました。その結果、スパコンのリプレースに際しても継続してサポートして欲しいとの要望がユーザからでました。京都大学学術情報メディアセンターでは、2012年にスパコンの納入ベンダが変更となりましたが、NAGライブラリのように複数のベンダシステムから利用が可能なライブラリが提供されている場合、ユーザプログラムの新システムへの移行が容易となります。また、単に新旧システムの両者で動作するというだけでなく、性能面も重要となります。現在、HPC分野において「性能可搬性」という言葉が注目されています。これはあるプログラムを複数のシステムで実行した場合において、一定以上の性能をどのシステムにおいても確保できるということを意味します。現在、性能可搬性を実現するためのプログラミングモデルやフレームワークの研究が進んでいますが、複数のシステムで動作する高性能なライブラリは性能可搬性の実現において重要な要素となります。NAGライブラリは京都大学のシステムにおいてユーザプログラムの性能可搬性を実現する上で重要な役割を果たしていると言えます。」

NAG製品へ今後期待すること

「現在では、GPGPUやメニーコアプロセッサを利用した計算ノード等、計算環境が多様化しています。まず、このような多くの異なるシステムにおいてライブラリ関数が動作し、かつ一定以上の性能を得ることを期待します。これはNAGライブラリがプログラムの性能可搬性に貢献できること意味し、ライブラリの評価において重要な要素です。また、近年においても、例えば固有値計算の分野では並列処理を考慮した新しい解法が提案されています。これらの応用数学分野における最新の研究成果をライブラリに取り入れることも期待される点です。」



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